竹中工務店と優先交渉 月内に事業協定 庁舎の設計・施工プロポ 建築着工は29年4月(女川町)
[2016/6/14 宮城版]
牡鹿郡女川町は、町庁舎等整備事業の実施設計・施工をデザインビルド(DB)方式で発注するため、公募型プロポーザルで事業者の選定手続きを進めた結果、竹中工務店(東北支店・仙台市青葉区)を優先交渉権者に選んだ。月内に実施設計の見積もり合わせを進め、事業協定書を取り交わす予定。年明けに工事契約を結び、29年4月の着工、30年10月の完成を目指す。プロポには同社と、鹿島・橋本店・佐藤総合計画特定JV、戸田・日総建特定JVの3者が参加した。
プロポの技術審査委員会は、東北大学大学院工学研究科の本江正茂准教授が委員長を務め、4月19日と6月7日の2回開いた。6月10日には契約業者審査委員会を開催して優先交渉権者を選定、13日付で結果を公表した。410点満点で、同社が392.50点、次点の鹿島JVが366.06点を獲得した。
技術審査委員会の講評を見ると、DB方式のプロポでは「既成の要素技術を散りばめただけでは十分に説得力のある提案を構成できないことがはっきり示された」と指摘。「竹中工務店の提案が正しくそうであるように、基本設計の精神を踏まえながらも、その構造形式やプランニング、各部工法に至る根本的な見直しを伴った上で、より深いレベルでのシステム統合力を発揮することが求められている」とした。
要するに同社の提案は、単なる設計技術や施工技術を表したものでなく、施工を見据えた設計計画や、管理を踏まえた施工計画になっている点などが評価された。他の2者の提案も「持てる技術力を存分に発揮した高レベルのものであった」と講評している。
町庁舎等整備事業では、女川浜字女川209ほかの敷地に、S・RC造4階建て延べ8350平方m程度の複合施設を建て、町役場や生涯学習センター、保健センター、子育て支援センターの機能を導入する。敷地はJR女川駅の道路を挟んだ向かい側で、面積が約2万1286平方m。現在は区画整理事業で造成工事を進めている。
DB方式では、実施設計、工事監理、建設、その他関連業務を一括で発注する。参考事業費は計45億4047万円。工期は30年9月28日までだが、提案次第で短縮する可能性がある。
同事業の基本計画は梓設計(東北事務所・仙台市宮城野区)、発注者支援業務は山下ピー・エム・コンサルタンツ(東京都中央区)に委託した。