工事予算に27.5億円 盛土造成でプロポ公告 朝日町の造船施設(気仙沼市)
[2016/6/1 宮城版]
気仙沼市は、先月30日付で朝日町津波復興拠点用地造成工事の公募型プロポーザルを公告した。民間事業者が朝日町に造船施設を設けるため、敷地約4.1haの盛土工と地盤改良工を進める。工事の予算額は税込27億5000万円を設定しているが、予定価格ではない。土木工事業がAランクの単体企業とJVを対象に、7日まで参加申込書、7月6日まで技術・施工提案書を受け付ける。造船施設を設ける民間事業者は別途、月内の早い段階で募集する予定だ。
今回発注するのは1期工事で、内容を見ると、土工事が1万5200立方mの掘削、4万1000立方mの砕石盛土、3400立方mの軽量砕石盛土、1万3500立方mの発生盛土、[1]2万2600立方mの搬入盛土、5万6400立方mの盛土撤去(場内流用)と流用土盛土、3万8500立方mの盛土撤去(場外搬出)。
このほか、16万1100立方mの土砂運搬、9210本のドレーン工、深層混合処理と中層混合処理の地盤改良工、262枚の矢板工、延長718mの擁壁工、延長430mの雨水排水工、2750平方mの緑地工などを進める。
2期以降の工事では、市が設ける燃油施設の敷地造成などを進める。内容は900立方mの掘削、1200立方mの砕石盛土、5800立方mの搬入盛土、7000立方mの土砂運搬など。この工事発注は施工実績等を踏まえ、随意契約を可能とする。1期を含む全体工期は8月~30年12月。
工事では、敷地内に建てる造船所の早期完成を目指すため、並行して行われる造船所建設工事の工程、または工期に合わせて部分竣工や段階的な工事着手を行う。そのため、今後に決まる造船所の建設事業者と、綿密に打ち合わせしながら施工する必要がある。
プロポの参加資格は、同市の入札参加資格を持つ土木一式工事がAランクの者。単体とJV構成員のうち1社は、15万立方m以上の盛土工事や、スラリー系機械撹拌(かくはん)工法による1万立方m以上の深層改良工事などを施工した実績があることが必要だ。
参加表明書の提出時には、審査で加点するため、盛土工事や地盤改良工事、鋼矢板または鋼管矢板工事のほか、造船所建設工事の施工実績書も求める。技術・施工提案書の提出要請は6月13日を予定する。
今回の造成工事を発注するにあたっては、計画的かつ早急に施工するため、十分な施工能力や技術力を持つ施工者のもと、工事実績のある優秀な監理技術者を確保する必要があると判断し、公募型プロポーザルを採用した。
市は造船施設の整備に伴い、燃油施設の鋼製地上屋外タンク以外に、陸上出荷施設、管理棟、海上桟橋、消防設備などを設ける。これらの工事はできるだけ早期の発注を見込む。