生栄巻大橋を改修 橋脚、高欄など補強 夏ごろ工事発注(涌谷町)
[2016/5/12 宮城版]
遠田郡涌谷町は本年度、同町の橋りょう長寿命化修繕計画に基づく補修工事の第1弾として、生栄巻(おいのまき)大橋の補修工事に着手する。架設から50年以上経過した同橋の橋脚や高欄を補強し、表層の舗装を打ち換える。工事は渇水期に合わせて進める計画で、夏ごろに工事を発注する。28年度予算には工事費2億6000万円を計上している。
生栄巻大橋(小里字岸ケ森)は町道太田生栄巻線の構造物として、昭和39年に旧迫川に架設された。橋長は122mで、幅員は約3.6m。形式は6径間PC単純ポストテンション式T桁橋。建設からすでに50年以上経ち、老朽化が目立っている。
町は25年度に橋りょう長寿命化修繕計画を策定している。それによると、町が管理している橋りょうは218橋あり、このうち橋長15m以上の橋25橋について修繕計画を立てている。生栄巻大橋の修繕は、その第1弾として実施する。
長寿命化修繕計画を策定する際に行った事前調査では、同橋は比較的健全度が高いと判定された。その後、町は昨年、「平成27年度生栄巻大橋補修設計業務」を復建技術コンサルタント(仙台市青葉区)に委託し、さらに詳細な調査を進めた。その結果、同橋は橋脚5基のひび割れ補修や伸縮装置の補強、高欄や路盤の補修を実施し、継続利用することにした。
補修工事は川の渇水期に合わせ、10月から来年3月ごろにかけて行う方針。一般競争入札によって施工者を選定する。工事発注は夏ごろになる見込みだ。
太田生栄巻線は箟岳(ののだけ)地区と登米市米山町方面を結ぶ生活道路であり、交通量は比較的多い。橋は幅員が3.6mと狭く、普通車が1台通れる程度。片側交互通行ができないため、工期中は通行止めにする。工期をできる限り短縮する必要があり、工事は上・下部工をまとめて1社に発注し、本年度末までに完了させる意向だ。
工事費は本年度予算に2億6000万円を確保している。工事では橋脚の補強がウエートを占め、ひび割れ部分にPCグラウトを注入して補強する方針だ。橋面はアスファルトを打ち換え、防水加工する。
町は残りの24橋についても、順次、補修工事を行う方針。本年度の工事着手は今のところ生栄巻大橋のみ。その代わり、来年度以降の工事着手に向けて、優先順位の高い橋の設計業務を委託する。